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主人が1~2年前のある時『Lost Japan』という本を読んでいました。あまり気に留めもせずにいたのですが、たまたまテレビを付けた時にやっていた『情熱大陸』に、その『Lost Japan』の作者アレックス・カー氏が出ていました。この番組を見て彼についてや彼の考えを知り、今までで一番衝撃的とも言えるショックを受けました。

先日、やっとこの日本語版(正式にはアレックスが書いたのは日本語版で、英語版は他の人に訳されたもの)を手にし、読み始めました。実を言うとまだ途中なのですが、自分がアメリカに長年住み、その間に帰省した時や、2年前に横浜に引越してきて、久々の日本での生活を始めてから常に感じていたけれど表現しにくかった事柄や気持ちが、そのまま書かれていました。彼(や私)の意見に同意するかしないかは別として、日本に対する見方にはこういうのもあるという風に思ってほしくて、彼と彼の本『美しき日本の残像』を紹介したいと思います。

アメリカ人であるアレックス・カーは、12歳の時に彼の父親の仕事で横浜に引越します。イェール大学で日本学を学び、再び日本に戻り日本中を自転車で周ります。その後は徳島県の祖谷に藁葺きの家を購入、再建したり、京都の町家を同じく再建することを始め、1年の半分はタイ、残りの半分は京都の亀岡に住んでいます。

彼はトータルで30年以上日本に住み、『日本の美』が凄まじい速さで破壊されていると指摘します。それは私自身が海外で生活するまで気付かなかったというか、それが普通だと思っていました。今ではその事実を毎日のように目の当たりにして、悲しく思っているのと同時に、自分の生まれ育った大好きだったはずの日本に失望してしまっています。

アレックスが指摘している点は幾つかあるのですが、主な物を書き出してみます。

・立て看板、コンクリート、トタン、アルミサッシが使われている建物、パチンコ店、網の目のように張り巡らされた電線の多さが、日本独特のごみごみとした雰囲気と世界に類を見ない醜い景観を作り出している。


・蛍光灯の明るさに慣れてしまっている日本人が、色の感覚を忘れてしまっている。


・周りの景観を考えずにパッチワークのように乱立している建物の多さ。


・あちこちにダム、地滑り防止のコンクリートの壁、動物や植物の息づかいの感じられない植林された杉林など、日本全体が自然破壊を国策としてやっているよう。


・ヨーロッパの産業革命は400年近くかかってゆっくりと行われたり、ヨーロッパ文化の中から自然に生まれてきたものなので、『現代生活』と『昔の生活』にあまり矛盾がない。日本は急速に変化が起こり、しかも異文化を取り入れているので、それまでの文化や自然破壊が著しい。京都や奈良の古い町並みを見て感嘆しているにも関わらず、自分の生活は全くそれとは関係がない。


・日本の優越性を唱える学校教育が行われている。日本人の多くに『日本は四季がある唯一の国』『日本語は世界一難しい言語であるから表現力が豊かである』『日本の自然は美しい』など、日本または日本人が優越だと思っている人がいる。日本社会では常にお互いの上下関係にコントロールされているので、ランキング付けをしたがり、そしてそのトップにならないと落ち着かない日本人。


・日本に異を唱える外国人があれば『反日家』というレッテルを貼られ、逆に賛同すれば『親日家』として温かく迎えられる。それはまるで『日本教』のようである。


・幕府政治、軍国主義、現代の教育システムによって日本人が頭のかたい平凡な人間になっている。日本人が『平凡』『つまらなさ』に慣れてしまっている。江戸時代以前の文献に見られたような創造性がない。


まだ途中なのでこんな感じですが、この後、アレックスは多くの日本人が誇りにしているだろう場所『京都』の最近の醜悪さについて述べます。

最後の数点は賛否両論だろうから、ここで私の意見を述べませんが、特に最初の4点は私がずっと日本に帰る度に感じていたことです。今、日本に住んでいても町の醜悪さにはそれこそ辟易してしまっています。

私は車、電車や新幹線から見える景色を眺めるのが好きなのですが、例えば新幹線で横浜から岡山に帰る途中、詳しく言えば名古屋を過ぎて京都の少し前辺りに、アレックスが言う『日本から失われあるつつ景色』を見つける事ができました。しかしそれは一瞬で終わりました。すぐにコンビニの看板が見えてコンビニがあり、大きな鉄塔も現れました。子供がいるのでずっと景色を見ていることは出来ないのですが、出来る間は『どこに電線や看板の無い場所が現れるだろうか』と外を見ています。

昨日も現在こちらに滞在している私の母を連れてお台場へ行ってきました。横浜から東名高速ー首都高速を通って行くのですが、この首都高速から見える景色の醜さには驚かされます。電線、コンクリート、アルミサッシ、看板... アレックスの醜悪さの要素に加えて、周りとの調和が考えられていない壁の色、古くて錆びたベランダの柵など、書けばきりがないほどです。

私はよくアメリカ人の友達に『いつか日本に行ってみたい』と言われます。『是非来てね。案内するから。』と言うのですが、よく考えてみたらどこを見せれば恥ずかしくないのかと考えてしまいます。日本をあまり知らない友達は、きっと現在無くなってしまった『美しい日本』を想像してやってくるのではないだろうかと思います。私はヨーロッパの景色を見ながら素直に美しいと思うし、『この場所に住んでみたい』と思ってしまいます。自分の生まれ育った愛すべき日本で、私の友人にも同じように感じてほしいと思っていますが、残念ながらそれは叶いそうにありません。

私自身もまだ読み終えてないし(私は蛍光ペンなどで線を引きながら読むので)、私と同じ意見を持ってる人がみんなではないと思いますが、機会があればこの本を読んで、こういうperspective(すみません。眠くて日本語訳が思いつきません)もあるんだと感じてくれたらと思います。
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